飲食店を13年経営してわかったこと

こんにちは、スパイスハンドです。

私は飲食店を13年間経営してきました。

開業1年目は順調でしたが、そこから売上は落ち続けました。

スタッフが辞めて、税理士からも「回復は厳しい」と言われるくらい絶望的な状況でした。

いま振り返っても、あの時期は限界が近かったと思います。

それでも店を閉めず、残ったスタッフと毎日やれることを続けました。

入口、席の配置、動線、メニューの見せ方。

派手なことは何ひとつできなかったので、こういう細かい部分を改善していきました。

販促も基礎から勉強し直しました。

行動し続けた結果、売上は戻るどころか、店は大きく黒字化してました。

周りの飲食店仲間には驚かれましたが、特別なことをした訳ではありません。

必要な部分を見直し続けただけです。

13年やって確信したことがあります。

飲食店は「味よりも利益の取り方の方向性」が崩れた時に失速するということです。

同業が「もうダメかも」と言う時の多くは、収益と実務の点検が止まっている状態です。

ここでは、実際に現場でやってきたことをそのまま書いていきます。

店の再生の鍵は“今の状態を正しく見ること”

多くの飲食店経営者は、売上を上げることばかり考えて動きがちです。

ただ、肝心の“自分の店の現状”が見えていないケースが非常に多いんです。

私の友人の店が典型でした。

都内でデリを経営していて、開業から5年間は売上も客単価も伸びずに苦しんでいました。

会った時はいつもこういう話をしていました。

「なんでこんなに売上がないんだろう…」
「何をしたらいいかわからない…」

普段は友人の店には絶対に余計なアドバイスはしません。

なぜなら、クライアントに対して失礼になるからです。

ただ、彼の場合。

このままだと半年もたないのは明らかだったので、外から見て感じたことだけ伝えました。

「やりたい店だとは思うけど、自分の強みを使えてないように見えるよ」

遠回しに伝えたつもりですが、本人も薄々気づいていました。

ただ、“最初に決めた形”にこだわり過ぎて動けなくなっていた。

彼の店は有機野菜・こだわり野菜のデリです。

野菜の美味しさに対する意識は高い。食べてもすべての料理が抜群に旨い!!

しかし、来店する客は“野菜が美味しいのは理解した上で、肉などのメイン料理も欲しい”と感じている。

ここが決定的にズレていたんです。

最後に、嫌われる覚悟で言いました。

「佐藤さん、野菜だけだと単価が取れない。」

「店内の5席でいいから、野菜を軸にしたコース料理にして単価を上げた方がいい」

「料理は元々得意なんだから、そこを出した方が店の力が出る。」

彼は元々、ホテルの結婚式場で料理長まで務めていた実力派です。

コース料理は彼が本来得意な領域です。

半年後に店へ行くと、コースを導入して売上は安定していました。

自分の店は自分では見えにくい、モノです。

自分が得意な武器があるなら、それを磨き上げたほうが客単価も上げやすいし、価値も伝わりやすい、やらない手はないんですよ。

・コレは今の時代だから
・コレ儲かりそうだから
・コレ良さそうだから

・・・などの理由で店を経営をして

成功すればいいですが、この判断軸で店を作ると、ほとんどが続かないのを実際に見てきました。

しかも、かなりの開業資金を投入しているので回収がキツイ!!コレではあとが苦しくなるだけですよ。

あなたの店の強みを見つけてそれを起点に商売をするようにしてください。

きっと、今よりも良くなりますよ!

ではまた!!