デリバリーを続けるか辞めるか迷うなら

スパイスハンド小林です、

コロナの時に営業ができなくなり
デリバリーしか売る手段がなく。

泣く泣く手を出した店は多いです。

私もやっていました。

3社も。

やってみて分かったのは
“私の店はデリバリーに向かない”
ということでした。

だから、早々に撤退しました。

立地が都内の中心なので
きっとニーズは合ったと思います。

が、しかし。

バイオーダーでやることが
タイパ悪く、その割に利益でない。

ここが一番キツかったですね。

1件オーダーが入る度に

・仕込みを止め
・火を入れ
・盛り付けて
・梱包して
・受け渡し対応
…など

それで、手元に残るのは
数百円…。

正直、
「これ、何の修行だろ」
って思いました。

しかも。

普通のお客さんがいるピークに
デリバリーの注文が入るんですよ。

もうね。

キッチン大慌てです。

なぜなら、
優先順位が変わってしまうからです。

デリバリーは注文が入ってから
何分でピックアップできるかを
自分で設定できます。

注文から店側のピックアップが
早いほうがオーダーの数が
多い傾向があります。

だから、私は15分にしてました。

ということは、

店に来てるお客さんと重なると
どっちを優先するか
毎回その判断を迫られるんです。

デリバリーと店内のお客さんどちらを優先するのか

デリバリーを後回しにすれば

・評価が下がる
・表示順位が落ちる
・次の注文が減る

でも、店内のお客さんに対しても

店内を後回しにすると
目の前のお客さんの不満が
溜まってしまう。

想像以上のストレスですよ。

その結果どうなるのか。

一番ラクな方を優先する。

つまり
・梱包して渡せば終わる
・会話もクレームも少ない

デリバリーを
先に出してしまいます。

だけど。

店内のお客さんへの対応が
遅れます。

結果。

空気が悪くなり
満足度が下がるんです。

コレが重なると
どうなると思います?

店のほうは悪い口コミがつき
集客力が下がり単価も下がる。

デリバリーのほうは
増えても微増。

目先の売上のために
店のお客さんを失客してるんです。

コレで合う店があればいいですが
そこそこの客単価の店が
やるようなことではありません。

だから、私は撤退しました。

街を歩いていると。

デリバリーを
頑張っている店があります。

素晴らしいことだと思いますが
継続しているのは
資本力がある店ばかりです。

なぜ、資本力がある店だけが
デリバリーを続けられるでしょう?

・人を増やせる
・キッチンを分けられる
・ピークをずらせる
・店の評価が落ちても耐えられる

これがデカい
アドバンテージなんです。

逆に。

上記のことをクリアできないと
デリバリーはキツイです。

そして重要なのは客単価。

デリバリーは大手チェーン店でも
少し値上げしている店もあります。

が、しかし。

1〜3店舗くらいの規模の店では
少しの値上げくらいでは
利益はとれません。

となると、

必然的に大手チェーン店と比べて
商品に明確な違いがないと
選ばれません。

勘違いしないでほしいのですが
私はデリバリーをヤメたほうが良い
と言ってるワケではないです。

デリバリーに向いてる店、向かない店

前提条件としてデリバリーが向いてる店、
向かない店に分かれるからです。

例えば

・客単価が低く回転前提
・仕込みが単純
・味のブレが出にくい
…など

こんな条件がそろっていれば
デリバリーには向いてる店です。

しかし。

あなたがデリバリーを
続けるか、辞めるかを
迷っているなら。

かなり危険です。

なぜなら
そもそも向いている店は迷いません。

売上と店の現状を見て
「いける」「厳しい」
がハッキリ分かるからです。

迷っているということは
・利益がでない
・店に悪影響がでてる
・日銭が欲しい

と思うから
決断ができません。

飲食店は日銭商売なので
できれば1日あたりの売上を
最大化したい気持ち。

めちゃくちゃ分かります。

でもね。

その迷いを解決するのは
デリバリーなんですか?

利益が出ないのに続けても
経営体力が奪われるだけ
ではないですか?

本来ならば。

店の経営体力を
プラスにするから行うのに
逆になっていることに
気がついてるハズです。

私はそれをしたくなかったので
早々に別の方法に切り替えました。

デリバリーは
向き不向きがあります。

デリバリーが一番に影響を受けるのは立地

デリバリーの向く向かないは
立地の影響もデカいんです。

例えばローカルエリアの
街外れでデリバリーやっても。

人口が少ないので
注文がはいりません。

都内も同じです。

ヒマな日を大きく埋められるような
可能性のある立地ならいいですが
中々そういう場所もない。

つまり。

デリバリーを続けて
頑張る話ではないんです。

価格、立地、商品などの条件が適合してるか
どうかだけなんです。

デリバリーは
売上が増えるからやるのではなく
経営体力が増えるから
やるものです。

・忙しくなる
・売上が増える

この2つがあっても
体力が減っているなら
それは失敗です。

早めに
損切りしたほうがいいです。

別の方法を考えたほうが早いです。

「また探すのかよ」

そう思う気持ち、分かります。

でも。

売上を増やすやり方が
あなたの店に合ってないのに。

続けることのほうが
閉店に近づくんです。

今日の話が
参考になれば嬉しいです。

あなたの頑張りを応援しています。